食道アカラシア闘病記

食道アカラシアという稀な病気と闘った記録です。いつか、誰かの役に立ちますように。

食道アカラシアと診断されるまで 後半

 

2020年1月 受診まで

1日の摂取カロリーがおそらく500キロも取れていないレベルで食べられない状態でした。

 

最初の診察では問診だけ、と聞いていたので、そこから何週間もかかって検査、なんらかの処方…と続くことには耐えられないと思いました。

予約センターが開始した日にもう一度電話をし、症状が辛く、できれば検査などもしてほしい旨を医師に伝えてほしい、と連絡をました。

すると折り返しで電話をかけてくれ、前日の21時以降、何も食べずに来られれば、医師が必要と判断した場合にすぐ検査ができるのでできればそうしてください、と教えてくれました。

また、その後もう一度電話がかかってきて、明日の〇〇時(もともと予約していた日より数日前)であれば医師が空いているのでいかがですか、と聞いてくれました。その時間でお願いをしました。

とてもとてもありがたい対応でした。

 

初診日

母に付き添ってもらい昭和大学江東豊洲病院へ。

1階の初診受付で紹介状と保険証を出し、かなり設問項目の多い問診表(?)を書いて提出。

発行してもらった診察券と書類をいくつかもらいそれを持って2階の総合受付へ。血圧を測り、診察室の前で待ちます。

問診では、初っ端から「けっこうもう辛いですか?」と聞かれました。

話が分かる〜〜!と嬉しかったです。

最近の食べられない程度を話すと、

「2週間とかで急激に悪化した場合、大抵何か詰まってしまってることが多いです。完全にフタをしてしまうんですね。昆布とかが張りついてるなんてケースが多いですが。

で、時々食べられるのは、ラムネ瓶のガラス玉を想像してもらえればと思うんですが、水が大量に入ったとか何かの拍子でふわっと浮くときがあるんです。

そういう時に一時的に飲み込めることがあります。

内視鏡検査をすれば詰まっているものを下に落とせるので今の状態よりは楽になると思います。」

「僕らはこういう症状の患者さんをたくさん診ているので、聞いただけでもアカラシアの可能性が高いと判断するのですが、とりあえず検査しましょう。」

 

ということで3階にあがり、内視鏡検査と食道内圧検査です。

基本は鎮静剤使用をおすすめされるので、運転とかある方はご相談を。※説明と同意書あります。

内圧検査実施の段階で先生が「〇〇さん、アカラシアで確定ですよ〜」と言っているのが聞こえました。

 

わりとすぐに意識もはっきりしていたので、少し休んだら再び診察室へ。

「まず内視鏡の結果ですが、これ…何ですかね…かまぼこですかね」

と詰まっている様子を見せてくれました。

白とピンクが見えたのでかまぼこっぽい。

たしかにお正月にかまぼこ食べたな…。

でも、急激に悪くなったのはそれより前のはず。

「詰まっているものが入れ替わる可能性はあります。1回詰まってたものが落ちたけど、また別のものが詰まるっていう」

…そういえば、急激に悪化した時の直前、おでん食べたな。かまぼこが詰まるなら、練り物盛りだくさんのおでんなんて、何が詰まっててもおかしくないかも。昆布も入ってるし。

「食道内圧検査ですが、ほとんど蠕動運動がない状態です。」

とこちらも結果を見せながら説明してくれました。

「もう食道アカラシアですね。」

治療法…と言ってもいずれも対症療法になるんですが、いくつかあり、そのあたりは調べていただければと。

私はもちろんPOEMを選びました。

そのために昭和大学江東豊洲病院にしたのですから。

 

「今すぐ治さないと命に関わる、というものでもないので手術に関してはご希望の日程でお取りしますがどうしますか?」

と聞かれたので、一応仕事のことは考えつつ、2週間先というそこそこ急な日程を希望しました。

詰まったら内視鏡検査すればいい、とはいえ、何がいつ詰まるか分からない恐怖となんてそうそう長く付き合ってられません。

入院するなら入院のある一定期間前の段階でPCR検査が必要とのことでその予約も入れてもらいました。

 

そのあとは様々な事務手続きのため、1階のサポートセンターへ。

アンケートとか入院の手引き的なものとか、注意事項、持ち物、部屋の希望みたいな話でした。

費用については保険適用なので自己負担で20万円いかないくらいとのこと。さらに自己負担限度額があるので私の場合は実質57,600円です。

(差額ベッド代とか食事代とかは別です)

そのあたりの確認をしてこの日は病院をあとにしました。

 

とりあえず、やっと

病名がつき

手術の日も決まり

どうやら内視鏡でとりあえず詰まったものは落としてもらったらしい

ということで、とても明るい気持ちでした。

 

入院まで

内視鏡検査で詰まってたものを落としてもらったので、だいぶ飲み込めるようになっていました。

といっても、飲み込みにくさは変わりませんし、食べるものもとても選んでいました。

 

あくまで私は、ですが、

食べにくい:練り物、パン

食べやすい:スープ、千切りキャベツ、豆腐、カロリーメイト

 

もともと細かいもの、水分を含めば自然と液状になるようなもの、揺れれば細かくなっていくようなものは通りやすいような気がします。

PCR検査も陰性だったので、いよいよ入院です。

 

 

蛇足 診断がつくまでの辛さ

この話はどの段階でしたのか忘れましたが、食道アカラシアについては診断を受けたのですか?と聞かれたので、一度もかかりつけの消化器内科では言われていないと言うと、何で知ったの?と。

自分で調べてたどりつきました、という話をしました。

「いや、おそらく〇〇さんも十分辛かったと思うんですが、一年ちょっとでここまでたどり着くのはかなり短い方なんです。

10年とかかかる方もいますし、精神科病棟にずっと入ってた方がアカラシアだったなんてこともあります。」

 

なんというか、私も町のクリニックいろいろ行って、どこ行ったってこれと思う処方されなくて、みんなしまいには心療内科ですね、と言うし、その心療内科に行ったって何ら解決しなかったわけなので、本当は食道アカラシアだけど違う病気と診断されている人はたくさんいるような気がします。

10万人に数人とか言われますが、実際はもっと多いような…。

1人でも多くの苦しむ人が助かりますようにとの願いも込めて書いています。